■楽器分解、リード調整調律方法

楽器を分解し、中を開けてリードを露出させれば、リードの調整や調律が出来ます。
実施する場合は繊細な作業になるので、注意して作業してください。

■楽器の分解

ヤマハピアニカP-37D(他現行ピアニカ全モデル)、SUZUKI PRO-44Hに関しては
YouTubeに動画を公開しているのでそちらをご覧ください。
 

■レスポンス調整

〇調整の目的
レスポンス調整でどのような楽器にするかは、最終的には自分の演奏するスタイルなどでも変わってくるでしょう。
軽く演奏したい場合は弱い息でも反応してくれるようにした方がいいですし、
逆に強く吹くのを好む方は強く吹きすぎても吹き詰まりを起こさずにリードが鳴ってくれるような調整をする必要があると思います。
まずは購入状態の楽器を一通り吹いてみて、違和感のあるリードの調整を行うのが第一のきっかけになるのではないでしょうか。
余談ですが管理人が初めて買ったPRO-37V2は、g1のレスポンスが他のものに比べてかなり悪かったと記憶しています。

〇調整に必要なもの
調整には以下のものが必要です。
1:リードを下げたり上げたりする薄くて硬いもの(例えば薄いギターピック等)
→ギターピックの他要らないポイントカード、薄いペーパーナイフなどが使えます。工具セットには専用のヘラもあります。
2:リードプレートを拭くための布
→日本手ぬぐいなどがオススメです。タオルなどパイルになっているものはリードに引っかかるので避けた方がいいと思います。
3:爪楊枝と、マスキングテープなどの粘着力の弱いテープ →下げ過ぎてしまったリードを、リードプレートを外さずに引き上げるのに使います。
〇レスポンス調整
レスポンス調整は、以下の方法で行います。
基本的にフレームからリードプレートを外さずに行います。この時リードプレートに水滴が付いている場合は水滴を取り除きます。

A:弱く吹いて音が出ないのはリード片とプレートの間隔が広すぎ→リード片の先を下げる。
B:強く吹いて音が出ないのはリード片とプレートの間隔が狭すぎ→リード片の先を上げる。
C:全く音が出ない→リード片の先を上げる、又はリード片に異物が挟まっている場合は取り除く。
D:リードが折れている→プレート交換もしくはメーカーに修理依頼

つまり、弱く吹いて丁度いいレスポンスの音を吹きたいときはリードとプレートの間隔を小さくする、
強く吹く場合は間隔を大きくするということになります。
この時の間隔のことを一般に「アゲミ」もしくは「アガリ」と呼びます。

弱い息に反応させるためにはリードを一気に強く押すのではなく、
真ん中あたりをゆっくりじわじわと何回かに分けて押すのが上手くいくコツです。
押しすぎてリードがプレートに埋まってしまった時は、プレートを外して裏側から押します。
逆に強い息に反応させるためには、ギターピック等を間に挟んだ後そのリードの真ん中を指で押さえて、先端を浮き上がらせます。

〇調整したレスポンスのチェック
楽器を組んだ後チェックをします。
どのくらいの開きでどのくらいの強さに反応するかは試行錯誤していただくとして、ここではちょっとしたコツを紹介します。

まず、調整した音と隣の音(半音上か下の音)をトリル(何度も反復して)で吹きます。
その2つが好みのレスポンスでスムーズにトリル出来たら次はそれより少し強い息、逆に弱い息でもトリルします。
隣り合った音のレスポンスが合っていたら、次は実際に曲を吹いてみてください。
それで自分好みのパフォーマンスが出来たら調整は成功です。

各リードのレスポンスの目安として、実際に開きを目でみて確かめるという方法もあります。
両隣のリードに比べて1つだけ飛び出てたり沈んでいたら、
スムーズな演奏のためにはそのリードはレスポンス調整の必要があるということになります。
開きは低い音の方が大きく、高い音に行くにしたがって小さくなっていきます。
この開きが滑らかになっているのが調整の目安の1つになってきます。

〇リードを押し込んでプレートに沈み込んでしまった場合
爪楊枝にマスキングテープを粘着面が表面になるように巻いて、リードの先端へ粘着面を当てて引っ張り出し、
間にギターピック等を入れてリードを上げます。

■調律

調律については手順の動画をYouTubeにアップしているので、合わせてご覧ください。


〇調律の目的
主にピッチの調整は、「狂っている任意の音を他と合わせる」「全体の音程を変える」という目的で行われます。
前者は一音もしくはいくつかのおかしな音を治す、
後者は例えば全体的なピッチの高いピアニカの音をA=442Hz辺りに下げるといったものです。
〇ピッチ調整のセオリー
ピッチ調整の場合、セオリーは以下の通りになります。

a:ピッチの低いリードはリードの先を削ると音が高くなる。
b:ピッチの高いリードはリードの根元を削ると音が低くなる。

 ピッチ調整の仕方は、リードの下にレスポンス調整のときにも出てきた「薄くて硬いもの(専用工具が望ましいです)」をかませて
リードの先か根元を棒ヤスリで削るというものです(動画ではリューターを使っています)。

先の場合は少し削るだけですぐにピッチが変わるんですが、
根元の場合は少し多めに削らないとピッチが変わりにくいので注意してください。
それぞれのチューニングのバランスの取り方は、オクターブの音を吹いて「うなり」が起きないかでする方法もあります。
リードの開きと吹き込みの強さにより微妙にピッチが変わるので、
いずれにせよまずは好みのレスポンスに調整した後そのレスポンスの特性に合わせてピッチを調整するのが順番になると思います。

〇ピッチ調整の限界、及びリード削りによる弊害
1つのリードをどこまで調整できるかですが、これについて実験したことがあります。
実験に使用したものはヤマハピアニカP-32D、リードはg2ですが、音を高く出来る限界は90セント(100セントが半音)でした。

ただしここまでやるとリードがコピー紙より薄くなってしまい、
音色、今後の演奏やそのリードの寿命のことを考えると使い物にならなくなります。
このことからピッチ調整は、あくまで微調整にとどめるべきであることが分かります。
どうしてもリードがへたっていると思ったら、リードプレートを交換することをお薦めします。


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