■鍵盤ハーモニカのメカニズム

音を出す仕組みはハーモニカ等と同じで、
固定振動数を持った(ある一定の音が出る)極薄の金属片「リード」を息で震わせるというものです。
こういう楽器を「フリーリード楽器」と呼ぶことは何度か触れましたが、
同じシステムを利用した楽器として他にもアコーディオンやバンドネオン、リードオルガンや笙などがあります。

ハーモニカと違う点は鍵盤によって息の出口を作ることが出来ること、全てが吹音ということです。
これによってこの楽器はあらゆる和音とあらゆる音へのトリルが可能となっています。

また、息のロスを殆ど無く音に変換する機構により、子供でも大きな音を出すことが出来ます。
さらに鍵盤という視認性の良さ。教育楽器としては申し分ない性能を持って生まれてきた楽器だったのです。

〇発音までのプロセス
具体的な発音までのプロセスは、

1.マウスピースから吹き込まれた息が空気箱を通り、
2.鍵盤を押すことで息の出口を作り
3押さえられた鍵盤の裏にある任意のリードに空気を送ってそのリードが振動して音が出る


というものになっています。1と2は奏者の好みや表現方法によって逆になることもあります。

フリーリード楽器は必要な音の数だけのリードを備えているもので、
例えば25鍵モデルならリードは25個、37鍵モデルなら37個リードが存在することになります。
その構造上金管楽器みたいな開放音は無く、鍵盤を押さえずに吹いたら音も空気も流れない設計になっています。

ほとんどの部品分割がネジ式で、大抵はドライバーがあれば分解できるようになっています。
リードのメンテナンスもドライバーで楽器を分解して行います。

■機構

楽器もれっきとした「機械」なので、動作のための機構が存在します。

〇鍵盤の機構
現在流通しているほとんどの鍵盤ハーモニカにおいて鍵盤の駆動方式は引きバネ式です。
フレームとそれぞれの鍵盤にバネがかかっています。鍵盤を押さえる所から「力点、支点、作用点」になっていて、
鍵盤を離すと引いたバネが元に戻る作用で鍵盤が戻ります。

楽器によっては白鍵と黒鍵とでバネの力を変えて、長さの短い黒鍵を軽い力で押せるように工夫しているモデルもあります
(現行ピアニカ、昔のメロディオンなど)。

鍵盤には息の出口を塞ぐ/開く部品である「バルブ」が付いていて、
これはゴムパッキンを使うことで不必要な息漏れが起きないように作られています。

現在の製品はほとんどが鍵盤とバルブが1つのパーツになっている「一体成型鍵盤」となっていますが、
古いモデルは鍵盤とバルブをアルミのアームで繋いでいました。現在でもアンデスがその古いタイプです。

〇発音以外の機構
吹奏楽器の宿命といえる唾液及び水の問題は、空気箱とつながっている唾液抜きを使って解決します。
モデルによってその仕様は様々ですが、空気箱の一部を開き、楽器を振るか息を吹き込むことで水抜きをします。

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